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超整理法 時間編(その2) [読書]

続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法 (中公新書)

続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法 (中公新書)

  • 作者: 野口 悠紀雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1995/01/25
  • メディア: 新書
 久々にこの本を本棚から引っ張り出してぱらぱらとめくっています。冒頭から気になる一節が。

「私は、時間欠乏症患者の中でも、もっとも重症の部類に属していた。なぜなら何でも一人でこなさねばならないからである。官庁や企業にいれば、地位の上昇や仕事量の増加に伴って組織が活動のさまざまな面をバックアップしてくれる。しかし私にはそうしたサポートが得られない」
( 野口 悠紀雄 『続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法 』(中公新書) 中央公論社 1995年 pp.4~5)野口教授は、大学教員(初版出版当時は早稲田大学)という特殊事情があったからこのような記述になっているようですが、刊行から20年経過し、官庁や企業でも、同じような状況が普遍的に存在しているような気がします。例を挙げましょう。

1. 部署に社員が一人しかいないケース。外部委託の協力会社の人が来て仕事を手伝ってくれるけれど、委託先に依頼できる内容は限定的である。お金に関すること、契約に関することなどは任せにくい。また建前上は、事前に委託する内容を委託先と取り決めていて、それ以外の業務を場当たり的に依頼することは、構造上やりにくい。


2. よく例に使わせてもらうのが、牛丼チェーン店や、コンビニやファミレスの店長職の人。ピーク時はバイトを使って乗り切るけど、オフピーク(深夜早朝など)は、店長自らが一人で店頭にたち、調理、レジ、品だし、発注など何でもこなさねばならない。たまたま流通業、外食産業を例に挙げましたが、ホワイトカラーでもこのような例はおそらく普遍的にあるでしょう。背景にあるのは慢性的な人手不足です。
3.  本書は、組織内での地位の向上に伴い秘書とかアシスタントがつくケースを想定しているようです。しかしそれはいかにも1990年代の牧歌的なスタイルといわざるを得ません。
 私の乏しい経験の中でも、ダイレクター(部長)やVP(副社長)といったポジションでも、自分の出張手配から何から全部自分で行っているケースは日常的に見ました。私もずっとそんな感じです。部長というけれど部下はいないというケースもありました。さまざまな配慮から役職は付与するけれど、アシストする人までつける余裕がないケースは、特に外資系企業では多いのではないでしょうか。背景には組織がフラット化し、各種のサービスがセルフサービス化していることがあると推測します。
 一例をあげると1995年当時の海外出張というと、宿から空路から何から何まで旅行代理店に依頼して、代理店の営業の方が、分厚い紙のチケットをうやうやしく納品してくれたというのを記憶しています。それがいまや、何でもかんでもインターネットで、何なら、手配から代金決済まで、専用サイトで自ら済ませてしまう。
昇進はしたけれど、別にアシスタントはいなくても大丈夫でしょうという時代になってきているような感じはします。

 もちろん今でも、航空券は紙で発行して欲しいという人もいるでしょう。私もどちらかといえばそちらの部類です。(スマホに何でもかんでも入れることはやらないです。紙派です。スマホが電池切れになったり、電波が届かなくなったりしたときににっちもさっちもいかなくなるのは避けたい。もしかすると、IT管理者のくせにスマホも使わずに済ませるとは、単なる懐古主義者ではと思われているかもしれませんが、私がスマホを重要な場面で避けるのはそういう理由です。)。
 請求書、IT業界ではライセンス証書やソフトウエアパッケージそのものの納品のケースでよくみますけども、いわゆる「メール納品」、つまりメールにハイパーリンクを張っておいて専用サイトに誘導し、PDF化した文書や、ときにソフトウエアそのものをを、ユーザ自身にダウンロードさせておしまい。紙やインストール媒体が欲しい人は別料金という流れは一般化しています。
 我田引水で恐縮ですが、昨今のIT管理者は、今まで以上に大変ということです。え、楽な仕事なんて世の中にないよといわれそうです。まあ、確かにそうでしょう。お金もらっている以上は大変なのは当たり前です。
 
 しかし、重要な仕事、私でしたら重要なプロジェクトの管理に時間が割けない。メールの処理や、事務作業に時間を割かねばならないから。これはこの10年くらいずっとそんな感じです。その間に一回転職していますが、状況は変わっていません。もうそんなものだとなかばあきらめています。
 
 
 前置きがずいぶん長くなりましたが、私自身、この本を買った1995年(たしか刊行されてすぐに買っていると思います。)当時と、2019年の今とでは、責任の範囲がずいぶん変わってきています。より広範囲の、より責任の重い仕事を任されるようになった。それ自体は結構なことです。
  
 他方、私自身の事務処理にかける負担は増える一方のように思えます。とくにセルフサービスでなんでもかんでも自分で・・・というのがきつい。なかば私のグチになってしまいますが、セルフサービスのサイトの数だけIDとパスワードを管理しなきゃいけないというのが気が重いです。定期的にパスワードは変えないといけない。同じ値を使いまわすことは避けないといけない。こう考えただけでも、野口教授が1995年に指摘した内容は今も色あせていない。
 
 私がまた久々にこの本を読み直してみようと思ったのはそんな理由です。

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ゆうみ

PW変更の件は 本当に面倒です。
by ゆうみ (2019-07-27 11:30) 

Azumino_Kaku

@ミック さん、
鉄腕原子 さん、
(。・_・。)2k さん、
K さん、
ryo1216 さん、
tsun さん、
ゆうみ さん、
xml_xsl さん、
いっぷく さん、

ご訪問ありがとうございます。


☆ ゆうみ さん、、
面倒ですよねー、セキュリティレベルを保つために必要と分かってはいるつもりですが、でも厄介です・・
by Azumino_Kaku (2019-07-28 22:48) 

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